※こちらは旧伊勢丹店ブログ投稿分を再掲載したものです。
こんにちは。
コラム【魅惑のカットガラス】第7回より続きます。
そして70年代に入りクォーツの時代が始まっても、
形を変えながらカットガラスは続いていきました。



こちらは日本のメーカーの当時の広告です。
実は自分が中学の入学祝で初めて買ってもらった腕時計が
こちらと同じようなカットガラスのものでした。
保守的な大人にはあまり褒めてはもらえませんでしたが、
同級生同士で自分の時計のカッコよさを自慢しあったりしたものでした。
サフェットなどのジュエリー性を重視したものというより、
若者向けのファッション性をポイントにしたもので、
レディース以上にメンズ向けの大型のものが人気でした。



ダイヤルも白黒以外に宝石のように鮮やかな色味のものも多く、
それ以前の「腕時計は次の世代に受け継ぐ一生もの」
という感覚から、さらに幅広い層にまで普及し、
「現時点の自分のテイストを最重視で選ぶ」という、
本当に腕時計が個人の道具になった時代を実感させるものでした。
現在では全盛期ほどには、カットガラスの時計を見ることは
多くありませんが、それでもガラス部分にも装飾性があることは
当然のこととして受け入れられ、様々なメーカーの時計に
個性的なデザインを見ることができます。

こだわるということは、”物を愛でる”という思いに繋がり
ディテールの可能性を広げ発展させていくきっかけになります。
単なる道具が、人生のパートナーになりうるものに変わる。
そんな過程を見ているようなカットガラスのお話しでした。
全8回にわたってお送りした、コラム【魅惑のカットガラス】
今回が最終回です。ご覧いただきありがとうございました。








