こんにちは。

いよいよ明日で新着コレクション
Shellman VINTAGE WATCH & ANTIQUE JEWELLERY NEW ARRIVAL COLLECTION
最終日となります。ぜひこの機会をお見逃しなく!

最後のDM掲載品はこちらをご紹介したいと思います
個人的にも大好きなアールデコスタイルのリングです。
様式とは切っても切れない関係だった上流階級のライフスタイルでしたが、
このアールデコスタイルが最後の様式とも言われています。

歴史上、ジュエリーやファッションはもとより、建築や調度品に至るまで、
一つの様式に則って整えることが、教養であり同時に経済力の象徴でもありました。
しかし時代の移り変わりとともに権力者層も変化していき、
文明社会が始まってから長年に渡り続いてきた王侯貴族などの世襲的な階層は
徐々に名誉的な存在となり、実際に社会を動かすのは企業家等の資本家層や、
国家を運営する政治家や官僚などの手に移っていきました。
それまで重視されていた血筋や家柄、伝統や格式という価値観は
突如として無くなることはありませんでしたが、社会の中心の基準ではなくなりました。



20世紀に入りロシア革命がおこり、続いて第一次世界大戦が勃発すると、
かつてはヨーロッパの覇権を争っていたオーストリア、ドイツ、ロシアと3つの帝国が消滅し、絶対的な権力の象徴とも言われた「皇帝」がヨーロッパから姿を消しました。


こういった出来事はそれまでの常識を大きく覆す要因となり、
アールデコスタイルにはそれまでの様式にあった「王朝風」という要素には囚われない
自由さが感じられます。また同時期には科学技術の発展にも目覚ましいものがあり、
そういった近代性、効率性などもそのスタイルに反映されました。

こちらのリングにはその近代性が強く反映されており、王朝風のジュエリーには
ほとんど見られない、直線をテーマとしたスタイリッシュなデザインに仕上がっています。
直線ゆえのプレーンなシルエットもあって、一見凝った造りには見えないかもしれませんが、
その点についてはまだまだ伝統を受け継いだマイスター達が活躍していた時代。
近くで見るとハンドメイドならではの緻密な仕事を堪能することができます。

ベースとなる長方形部分は4本の柱が並んだような構造になっており古代の神殿を思わせます。
各柱の間には透かしが施されており、縁部分には細やかなミル打ち細工が見られます。
ベースの両サイドをよく見ると凸型状になっていて、その外側にはさらに短めのサファイヤのバーが。
アールデコで好まれた階段状のレイアウトです。ベースのセンターに大き目のダイヤモンドをセットし
その両脇から、柱部分に対して水平にダイヤモンドのバーをレイアウト。ユニークなのは両サイドの
凸部の中央のスリットをくぐるようにセットされており、しっかりと立体感を表現しています。

このような凝った構造以外にも、独特の存在感を示しているもう一つの要素が
ダイヤモンドの間にあしらわれたサファイアです。
宝石という以上に色をアクセントに使うという趣旨で使われており、
間に金属の爪を使わずに角型の色石を並べていく「カリブレカット」という技法が好まれました。
このリングにおいてもセンターを縦断するライン、両翼の留めとなっている青の線が印象的です。

動植物や神話の情景といった具象的なモチーフを使わない、
抽象的・幾何学的なデザインが少なくないアールデコのジュエリーですが、
ある意味モダンジュエリーの先駈けともいえる存在であり、
それゆえ100年という長い時を経ていながら、全く古臭さを感じさせない
時代を超越した印象を受けるものが多いのでしょう。

モダンさと伝統がこのように自然に融合しているオブジェクトを見ると
タイムトラベラーになった様な心地さえします。
ぜひご自身でその不思議な感覚をご体感ください。
by M.A.








