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Toriko

アーカイブ:ロレックス【アールデコのオイスター】

※こちらは旧伊勢丹店ブログ、2021年6月25日投稿分を再掲載したものです。

こんにちは。
今回も人気のロレックスからの1点ですが、かなりのコレクターズアイテムと言えます。



ロレックスオイスターアールデコ

現在ロレックスと言えばほぼ全ての方が「オイスター」を思い浮かべると思います。
メンズのごく一部モデルを除けば、それが唯一店頭に並んでいるモデルなので当然ではありますが。

アンティークの時代には、こちらでご紹介してきたようなドレスタイプを含め
様々なデザインにあふれ選ぶのに迷うほどですが、
不思議なことにザ・ロレックスともいうべき
オイスターは殆どご紹介してきませんでした。



水しぶきイメージ

その理由を語る前にまずは一世紀ほど前まで時間をさかのぼる必要があります。
20世紀初頭、時計は対防塵、つまりいかにホコリの侵入を防ぐか?
という点が密閉性の課題であり、「水が浸入しない=防水」という考えは
まだまだ一般的なこととは言えない時代だったのです。

しかし懐中時計から腕時計への移行が進むにつれ、
「防水」という概念が強く意識され、求められるようになってきます。
洋服のポケットを常駐の場所としていた懐中時計に比べ、腕時計は文字通り
腕の上が常駐場所です。常にむき出しに近い状態で、腕の動きに合わせ様々な
シチュエーションに向き合うのが定めでした。

手を洗う。作業をする。それまでにはなかった「水」との接触というシチュエーションも
現実のものとなり、特にそのような機会が多い人々にとっては「防水」という機能が
強く求められる状況となりました。



ロレックスオイスターアールデコ

「オイスター」はそういった時代背景を考えると、まさに先見の明があったと言える時計でした。
多くの時計メーカーが「ホコリ」との戦いに力を注いでいたその時に、
「水が浸入しない時計」というコンセプトがいかに衝撃的なことであったか想像に難くありません。

有名な「ドーバー海峡を泳ぎ渡った際に着用していた時計」とのニュースは
ロレックスの名を飛躍的に高めました。ロンドンの一時計商から、現代にいたるまで
スイス製の時計と言えばまずはロレックス、というほどの知名度を獲得したのです。



ロレックスオイスターアールデコ

こちらはオイスターのかなり初期のもので、現代のオイスターとは全く異なるデザインです。
一般的にはシリンダーケースと呼ばれる円柱を輪切りにしたような側面が直線のモデルで、
それをベースにステップ型のベゼルとラグを組み合わせています。
典型的なアールデコのデザインです。



ロレックスオイスターアールデコ

通常は紫外線などで劣化しやすいため、仕上げ直しの多いブラックダイヤルも当時のままです。
ダイヤル6時側に見える「RELOJERIA SUIZA」はエルサルバドルの宝飾時計店の名称で、
他にもベネズエラの「SERPICO Y LAINO」など、数は少ないものの、1960年代位までは
富裕層御用達の宝飾時計店とのWネームのものが見られました。



ロレックスオイスターアールデコ

ブレスレットについては刻印等もないため、元からの物とは断定できませんが、
ただ同時期に見られる典型的なラダー型のものですので、デザイン的にも調和しています。

メンズですとコレクターが多い世界でもありますので、こういったレア度の高いものは
その希少性をより評価されるものなのですが、レディースの場合コレクター・マニア
といった層がとても薄いため、希少性がかならずしも価格に反映されるとは限らず、
メンズのコレクター達からは、垂涎の視線が向けられることも少なくないのです。

意図して入手しようと思ったところで、そうやすやすとは思いがかなわないもの。
今回の時計はまさにそんな言葉が似合う一点です。



ロレックスオイスターアールデコ

時計好きな人なら名前を知らない人がいないと言われる「ロレックス オイスター」
その中で周りを見渡しても自分以外誰も持っていないレアモデル。
デザインのカッコよさのみならず、
希少性においても満足度の高い時計を身にまとう喜びをご堪能ください。

by M.A.



D6773
ロレックス
1930年代
SS

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