※こちらは旧伊勢丹店ブログ、2022年4月15日投稿分を再掲載したものです。
こんにちは。
長年にわたり時計界の頂点の一角を占め続けるパテック・フィリップですが、
そんなパテック・フィリップにおいても究極の一点と言えるモデルをご紹介します。

もとより究極の「時計」メーカーですので、レディースモデルでもやはり時計らしいデザインが多く、
それはジュエリーウォッチにおいても同様です。華やかにダイヤモンドをあしらっていても、
やはり時計としての顔が前面に感じられるものが多く「時計が主役」というデザインが大半を占めます。

ところがこちらの時計はそんなパテック・フィリップには珍しく、
「時計に見えない」ことを追求したモデルです。
時代を遡るほど華やかな場においては腕時計をつけないことが基本でした。
時間に追われるような実用的な「道具」は優雅な場にそぐわないというのが暗黙の了解事項でした。

そのためそういったジュエリーウォッチの多くはダイヤルを小さくしたり、
リューズを目立たせない特殊なムーブを使ったりと様々に趣向を凝らしていました。
中でも究極のものは蓋をつけてダイヤルそのものを隠してしまうものです。
蓋つきの懐中時計になぞらえて「ハンターケース」と呼ばれるこれらの時計は、
完全にジュエリーという視点のもとに作られており、
フルオーダーを始めとして贅を尽くした手の込んだものが多く、当然作られた点数も限られます。

特権階級御用達とも言われるパテック・フィリップにはこれほどふさわしいジャンルはないと思われますが、
しかしながら実際にパテック・フィリップの製作した「ハンターケース」を見ることはめったにありません。
ダイヤモンドをあしらった宝飾時計、緻密に作られた貴金属ブレスが美しい時計など
ジュエリーウォッチそのものは数多くのデザインが作られていますが、
蓋つきの腕時計となると専門書等に掲載された参考資料を含めても数えるほどです。


そしてこの時計はそんな希少なモデルの実例になります。当時のレディースウォッチの概念からすると
すべてが規格外で、この時計のためだけに企画が進められたのだろうと想像が広がります。
何といってもこのボリューム感です。広い幅と重厚な厚みはもはや腕時計のそれではありません。
戦前のレースのような繊細で貴族的なジュエリーの時代から、
女性も広く社会に参画するようになり、明るさと力強さを感じる時代の要素が全体からあふれ出ています。


基本的なデザインは、獣角やクロワッサンを思わせる印象的な三角形ベースのモチーフが組み合わされた
バングルスタイルになっており、時計本体やバックル部分もこのパターンの中に違和感なく馴染んでいます。


蓋を閉じた状態ではこれが腕時計と分かる人はいないのではないでしょうか?
最高峰の時計でありながら、あえて時計であることを秘めた稀有なパテック・フィリップです。
この贅沢さをぜひご体感ください。
by M.A.
パテック・フィリップ
商品番号:A13679
1954年製
素材:K18YG
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