※こちらは旧伊勢丹店ブログ投稿分を再掲載したものです。
こんにちは。
コラム【魅惑のカットガラス】第3回より続きます。
実際に「カットガラス」という存在が一般に認識され
広まったのは、1950年代に入ってからと言われており、
最も有名なものはオメガの「Sapphette = サフェット」
と呼ばれるシリーズです。

1950年代に登場したこのモデルは、
「宝石をあしらったジュエリーウォッチ」という
固定観念から解放され「時計自体を1つの宝石に見立てる」
というユニークな発想の元に生まれました。
当時まだ一般的ではなかった、いわゆるサファイヤガラスを使用し、
本格的なシリーズとしてリリースされたこのモデルは
その後数々のメーカーにまで広く影響を及ぼし、
カットガラスの普及に大きく貢献しました。

多くのバリエーションがありますが、基本となったのは、
丸型のガラス外周部の内側にファセットカットを施し、
表から触ってもカットの凹凸のないスムースな仕上げのものです。
カット面はエッジから数㎜幅の細いものですが、
斜めになったカット面に合わせ、スロープ状の金属のリングが
背面に重ねられます。これが鏡のような効果となってカットガラスの
きらめきを強調するような仕組みになっています。
ただしそれは時計としての機能を損ねるようなものではなく、
時間を見る道具としても支障なく使えた上で、装飾性を
追加したという点が、腕時計の新しい局面を開いたと言われる所以です。

こちらは基本形にきらめきを強化したタイプです。
一見同じように見えますが、時計の直径に対してカットガラス部分の
幅を高めた比率になっていて、よりジュエリー感が強い印象です。
ラグやケースもそれに合わせて装飾性の高い意匠になっています。

そしてこちらは装飾性をさらに一歩進めたタイプ。
丸形のダイヤルをあえて角型のケースにセットすることで
四隅に余白部分を作り出し、そこをきらめき装飾のポイントとしたタイプです。
※第5回に続きます。








