こんにちは。
今回ご紹介するのは知名度の高さに反してアンティークウォッチにおいては、
はなかなか出会えないブランド。ショパールのジュエリーウォッチです。

時計メーカーであり、同時にジュエラーでもあるショパールらしく、
とてもゴージャス感溢れる一点で、これまでシェルマンでは
あまり取扱いが無かったタイプのデザインです。
本来ダイヤモンドをあしらった時計は社交の場における着用を意識したものが多く
時計よりもジュエリーとしてのコンセプトが強いものが多数派でした。

中でも格式の高い場での着用を前提としたものは、いかに時計に見えない様な
デザインにするか、どれだけジュエリー性を前面に打ち出すかを考えられており、
中には時計の本質部分とも言えるダイヤルを蓋で覆ってしまう時計もあるくらいです。

今回の時計についてはダイヤルは覆われてはいないのですが、
実用性で考えるならば、それらの時計に近いコンセプトと言えるかもしれません。
1960年代位まではほとんど見られなかったダイヤルにダイヤモンドをパヴェセットしたものです。
インデックスの一部にダイヤモンドをセットしたものはアンティークでも目にしますが、
この様にダイヤル全体にダイヤモンドを敷き詰めたデザインは、70年代に入ってから
広まってきたもので、レディースの時計の大型化も影響していると思われます。

第二次大戦後の女性の社会進出は止まることなく進んでおり、呼応するかのように
実用性を重視した視認性の高い大型のダイヤルも徐々にずつ増えていきました。
本来時間を見ることが主目的ではないジュエリーウォッチにおいても、
時代の影響は不可避だったと思われ、同じように大型のダイヤルが増えていきました。


また画期的に正確なクォーツムーブの普及によって、精度の比較が重視されなくなり、
大きくなったダイヤルの“実用一辺倒”という雰囲気をやわらげる目的で、
時間を読み取るためのパーツであるインデックスを取り去ったものも現れました。

そんな時代背景の中、美を表現するキャンバスと化したダイヤルに
ダイヤモンドをあしらうことは自然な流れだったと言えるでしょう。
角度によって針のシルエットが浮かび上がり、時間を見るという時計の機能を果たしてはいます。

ただダイヤル全面に敷き詰められたダイヤモンドは絶えず煌めいており、その光の中に
針が埋もれてしまうことも多くて、決して時間の見やすい時計ではありません。
デザインは変わっても、その点ではジュエリーウォッチの本質はしっかり受け継いでいますね。

ブレスレット部分も従来の編込み型のものとは大きく形状を異にしていて、
シンプルな細身のバングルの大きなカーブを描いた空間に時計本体をセット
するという、圧倒的にジュエリー目線でのシルエットになっており、
ジュエリーウォッチの新時代を象徴するような一点に仕上がっています。

半世紀経った現在でも、これほど斬新なジュエリーウォッチは決して多くはありません。
それまでの常識が大きく変化する時代に、新しく登場したものが持つエネルギーは
時の流れに埋没することのない強い力を保ち続けるのかもしれませんね。
百聞は一見に如かず。ぜひお手に取ってご覧ください。
ショパール
商品番号:D10455SK
1970年代
素材:18KWG ダイヤモンド
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