※こちらは旧伊勢丹店ブログ投稿分を再掲載したものです。
こんにちは。
コラム【魅惑のカットガラス】第5回より続きます。
そしてカットガラスの先駆者とも言えるオメガには、
他にも珍しいモデルがいくつか存在します。

その内の一つがこちら。左上のモデルです。
アンティークジュエリーでは時々ご紹介しているのですが、
「ローズカット」という薔薇のつぼみをイメージしたカットを
ほどこしたガラスが使われています。

これは先述の「基本バージョンの外周のカット」のものとは違い、
中央部が一番高い山型のシルエットで、大き目の三角形のファセット
を組み合わせた、まさに宝石と言った形をしています。
全面がカットされている分、1つのカット面が大きく、
ダイヤル面全体が光を放っているような強い輝きが魅力です。
もちろん光っている瞬間は、その面を通してダイヤルを確認する
ことはできませんが、絶えず光は動いているので実質的には
殆ど視認性に影響はありません。

こちらはアンティークジュエリーにあしらわれたローズカットダイヤモンドです。
19世紀くらいまでは広く使われていましたが、20世紀初め頃になると
取り巻きのメレーダイヤの一部に使われるくらいで、メインとしての使用は
デザイナーが意図的にセレクトしたもの以外はほぼ見られなくなります。
ダイヤモンドなので、大きめとは言っても
直径が10㎜を超えるようなサイズはめったに見かけません。
それを考えると、時計のダイヤルと同じ直径の大きなサイズの
ローズカットの形を見るのはとても斬新に感じます。
ただ、これまでの30数年で3、4点ほどしか取り扱いの記憶がなく、
かなり珍しいモデルであるのは間違いありません。

そしてもう一つがこちら。ステップカットのカットガラスです。

第2回の時にご紹介したエメラルドカットのダイヤモンドと同様に、
エッジを角型の平面で段差を付けたシンプルなカットです。
これまでご紹介してきたものは、細かな三角形のファセットを
組み合わせたもので、動くたびに”キラキラ”と絶えず光がこぼれる感じですが、
このようなステップカットの場合、1辺が丸ごとファセットになっており、
面の数が少ない反面、1つの面が大きいため、光は”キラッ、キラッ、”とゆっくりながら、
大きく力強く光りますので、一般的なカットガラスとはだいぶ印象が異なります。
ただこちらもバリエーションの一つレベルだったようで、やはり製作数はかなり少なく、
ローズカット同様にこの30数年の間に、自分で取り扱ったものはこちらの1点だけでした。
もしこのタイプに出会えればとても貴重なコレクションとなるでしょう。
※第7回に続きます。








