Shellman Ladies' Antique Watch & Jewelry

Toriko

コラム 魅惑のカットガラス 第2回/全8回

※こちらは旧伊勢丹店ブログ投稿分を再掲載したものです。

こんにちは。

コラム【魅惑のカットガラス】第1回より続きます。

ところが懐中時計から腕時計に移り変わるころには
女性にとっては単に時間を見る道具ではなく、
ジュエリー、アクセサリーとしての意味合いが大きくなります。




懐中時計 イメージ画像
参考画像




初期腕時計 イメージ画像
参考画像

そんな「ジュエリーとしての腕時計」と言う視点から見れば、
この小さなスペースの中で表現できることを、
改めて見つめ直してみようという考えが出てくることは自然です。

カットガラスの詳細については文献が少なく、
確定的なことは言えないのですが、1930年代位までの、
まだ階級制が根強く残っていた時代の時計の中に、
ダイヤモンドやサファイヤのエッジ部分をファセットカットして、
ガラスの代わりに時計にセットしたものがありました。



アールデコ ダイヤモンド エメラルド 時計
エメラルドカットのダイヤモンドをガラスの代わりに使用した1930年代の時計

この30数年の間に自分自身で現品を確認したものが2、3点、
ディーラー仲間よりその類のものを扱ったことがあると
数度聞いたくらいの、本当に例外中の例外的なものなので
これらが直接カットガラスの起源となったとは言及できませんが、
既にこの頃から「ガラス部分も装飾の一部になり得る」との
考えを持ったジュエラーや時計メーカーは存在していたようです。



ロケット イメージ画像
参考画像

アンティークジュエリーの中に肖像画等を入れたペンダント、
いわゆる「ロケット」と呼ばれるものがあるのですが、
実はこのロケットのごく一部に肖像画のカバーとして
ダイヤモンドを使った例があるのです。

まだカット技術も未発達で、原石に面を付けるだけでも
苦労していたような時代に生まれたものですが、それなりに面積があり、
透明度もあるけれど厚みがない。という原石が出てきた場合、
通常はメインの宝石として、ジュエリーに仕立てるのは
難しいのですが、このガラス替わりとしてであれば
まさにうってつけだったわけです。



ブローチ ポートレートダイヤモンド イメージ画像
※デヴォンシャー公爵夫人の肖像画にセットされたポートレートダイヤモンド

「ポートレートダイヤモンド」等の名称で呼ばれ
点数こそ少ないものの肖像画を引き立てる贅沢な手法として
愛好家には垂涎のアイテムとなっています。
個人的にはこの辺りにカットガラスという考え方の
大元があるのでは?と推測しています。



※第3回に続きます。

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