※こちらは旧伊勢丹店ブログ投稿分を再掲載したものです。
こんにちは。
コラム【魅惑のカットガラス】第1回より続きます。
ところが懐中時計から腕時計に移り変わるころには
女性にとっては単に時間を見る道具ではなく、
ジュエリー、アクセサリーとしての意味合いが大きくなります。

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そんな「ジュエリーとしての腕時計」と言う視点から見れば、
この小さなスペースの中で表現できることを、
改めて見つめ直してみようという考えが出てくることは自然です。
カットガラスの詳細については文献が少なく、
確定的なことは言えないのですが、1930年代位までの、
まだ階級制が根強く残っていた時代の時計の中に、
ダイヤモンドやサファイヤのエッジ部分をファセットカットして、
ガラスの代わりに時計にセットしたものがありました。

この30数年の間に自分自身で現品を確認したものが2、3点、
ディーラー仲間よりその類のものを扱ったことがあると
数度聞いたくらいの、本当に例外中の例外的なものなので
これらが直接カットガラスの起源となったとは言及できませんが、
既にこの頃から「ガラス部分も装飾の一部になり得る」との
考えを持ったジュエラーや時計メーカーは存在していたようです。

アンティークジュエリーの中に肖像画等を入れたペンダント、
いわゆる「ロケット」と呼ばれるものがあるのですが、
実はこのロケットのごく一部に肖像画のカバーとして
ダイヤモンドを使った例があるのです。
まだカット技術も未発達で、原石に面を付けるだけでも
苦労していたような時代に生まれたものですが、それなりに面積があり、
透明度もあるけれど厚みがない。という原石が出てきた場合、
通常はメインの宝石として、ジュエリーに仕立てるのは
難しいのですが、このガラス替わりとしてであれば
まさにうってつけだったわけです。

「ポートレートダイヤモンド」等の名称で呼ばれ
点数こそ少ないものの肖像画を引き立てる贅沢な手法として
愛好家には垂涎のアイテムとなっています。
個人的にはこの辺りにカットガラスという考え方の
大元があるのでは?と推測しています。
※第3回に続きます。








