※こちらは旧伊勢丹店ブログ投稿分を再掲載したものです。
こんにちは。
コラム【時計のダイヤルデザインの変遷】第3回より続きます。
やがて70年代に入ってクォーツムーブが出回り始めると、
機械式とは比べ物にならないほどの高精度が標準となります。


そのため、もはや些細な時間を気にする必要もなくなった。
とのコンセプトから、インデックスを全て取り払ってしまう。
という大胆なダイヤル(文字盤)さえ世に現れることとなるのです。

500年近くも基本形として大きく変わらずに受け継がれてきた
時計塔の時代からのダイヤルデザインは、20世紀に入ってからの
腕時計の出現によって、わずか数十年の間に大きな変化を見る
こととなりました。


現在はスマートフォン等の情報機器の普及により、
腕時計を持たずとも時間を知ることが容易な時代です。

しかし面白いことに、高級でこだわりのある時計には
かつてないほど人気が高まり、正規店ですら手に入らない品もあるとか。

クォーツウォッチが世に登場した時、
「もうゼンマイで稼働するような過去の時計は消えていく運命」
という厳しい評価を受けることもあったそうですが、
逆にクォーツが圧倒的なメジャーな存在になった時、
人々が求めたのはその便利さとは反対の過去の時計だったのです。

人間は絶えず技術革新を行い、科学文明は発展を続けてきました。
しかしそうした発展に伴って獲得したゆとりの時間に、
実は非効率で一見無駄とも思えるものごとを楽しむことこそ、
究極の贅沢ということなのかもしれません。
全4回にわたってお送りした、コラム【時計のダイヤルデザインの変遷】
今回が最終回です。ご覧いただきありがとうございました。








